インドの噂と、この船の本当の役割
最近、巷ではインドにディズニーランドができるという噂が盛り上がっています。
インド巨大財閥リライアンスとディズニーの合併も進み、デリー近郊に広大なパークを作る構想も現実味を帯びてきました。
そんな中、シンガポールを拠点として登場したアドベンチャー号。
実際に乗ってみて確信したのは、この船はディズニーが新市場(インドを含むアジア圏)を攻略するための、いわば巨大な練習台なのではないか、ということです。
「魔法」というブランドを掲げつつ、どこまで効率(詰め込み)を優先しても客が来るのか。
他社が作った船を居抜いて、どこまでディズニー色を塗れば満足させられるのか。
そんな実験をされているのかもしれません。
世界最大級の大型客船?
他のクルーズ船に乗ったことがないので比較できないのが残念ですが、アドベンチャー号に乗って一番最初に思ったことは、イメージ画像と違って、ずいぶん狭いなぁということでした。
船自体の全長は確かに長いですが、特に吹き抜けのアトリウムなどは圧倒的に狭く感じました。
事前のイメージボードとは違い、ガーデンステージのある階などはチープな感じが漂っているのも気になりました。
乗船直後のランチまではワクワクしていましたが、それ以降はディズニーマジックも消え、なんだ、この船は……という冷めた気持ちが勝ってしまいました。
他のディズニークルーズとは「設計」が違う
調べてみると、このアドベンチャー号は他社が製造していた未完成船をディズニーが買い取って改装したものだそうです。
歴代の船のように、ディズニーのために1から設計されたものではないのですね。
よその船を使っているということは乗船前から知ってはいたのですが、どうやら狭く感じる理由はここにあるようです。
アドベンチャー号は他の船よりも客室数が多く、最大収容人数もかなり多く設定されています。
全長はあるけれど横幅にゆとりがないのは、効率重視の設計ゆえなのかもしれません。
練習台として、より多くの人数で効率をテストするには最適な環境だったのかもしれません。
デパートのような圧迫感
ショップエリアなどは天井が低く、一昔前に建てられた日本のデパートのようです。
お土産を買うだけなら困りませんが、船内をウロウロしているとビルの中を歩いているのと変わりません。
船全体で考えると、どうしても窮屈な箱という印象が拭えませんでした。
お部屋のカーペットは掃除しているのか?
私たちが泊まったベランダ付きの部屋は、一見すると特別汚れている印象もなく、最初は何も不満はありませんでした。
ところが、荷物を広げたり靴を履き替えたりする際、カーペットに顔を近づけるタイミングで、私も友人もくしゃみや鼻水が止まらなくなる現象が発生しました。
これは間違いなく、カーペットにアレルゲン(埃やダニなど)が蓄積されているということだと思います。
日常的な清掃で掃除機をかけているところを見かけなかったので、クルーズ中は掃除機をかけないのかな?とも思いましたが、不思議なことに廊下にはダイソンの掃除機が何台も置いてありました。
あれは一体何だったのでしょうか。写真は撮っていないのですが、おそらくダイソンのハンディ掃除機だったと思います。
なぜダイソンだと思ったかというと、我が家にはロボット掃除機とハンディ機が2台あり見慣れていますし、何よりシンガポールはダイソンの本社がある場所。
あえて似たようなパチ物を使う理由もないでしょうから、本物だったはずです。
お部屋の唯一の救い
今回はベランダ付きのステートルームを選んでいました。
理由は、もし船酔いした時にすぐに外の空気で気晴らしができると思ったからです。
実際にはずっと地震が続いているような独特な揺れ方でしたが、幸い船酔いはせずに済みました。
ベランダは濡れた水着を干す場所として活用、結局ルームサービスを取る暇もなく、ここで優雅にお茶をすることはありませんでした。
それでも、いつでも好きな時に外の空気を吸えたという点では、ベランダがあって良かったと思っています。
おまけ:謎のブラックパンサー
私たちのフロアにはキャスト専用のエリアもあったようで、エレベーターではしょっちゅうキャストさんと一緒になりました。
驚いたのは、キャスト専用ドアではない一般客室エリアの廊下に向かって、ブラックパンサーが悠々と歩いて行ったことです。
よく見ると、後ろからキャストさんが一人付いて歩いていました。
他のフロアでは、専用ドアからミッキーが急に現れては魔法のように消えていく完璧な演出を見ていただけに、客室の廊下をヒーローがスタスタと移動していく姿はシュールな光景でした。
彼は一体、あの先で何をしていたのでしょうか……。
もしヒーローデリバリーサービスがあるのなら、私は迷わずデッドプールを呼びたかったです。
彼ならこの魔法が解けかかった船の現状を、最高のジョークで笑い飛ばしてくれたでしょう。
むしろそれこそが、この船に残された唯一のソリューションな気さえします。
もしそんなサービスを本当に開始したら、また行きます笑
