子供の頃からスーツケースを持って飛行機で旅行する機会がそれなりにあった私ですが、幸いなことに人生で一度もロストバゲージを経験したことがありません。
ただ、家族が海外に住んでいた時にロストバゲージを経験したことがあり、大切な荷物が戻ってこない事態は本当に起こり得るのだと知りました。
後日遅れて手元に届くならまだマシですが、完全な紛失となればかなりのショックです。
旅行途中の紛失はスケジュールに影響しますし、帰国時の紛失はお土産が入っている可能性が高く、戻ってこないとわかった時のガッカリ感は想像するだけで泣きそうになります。
宿泊数が多くなればなるほど、キャリーケースやバックパックひとつで旅行するのは難しくなり、気候やTPOに合わせた衣装が必要な旅ならスーツケースで行かない選択肢はないでしょう。
では、自分の努力で少しでも被害やダメージを減らすことはできるのでしょうか?
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どこにあるかだけでも知りたい
自分自身は荷物をなくした経験はありませんが、万が一スーツケースがなくなってしまったら、本当に困ってしまうのは目に見えています。
せめて荷物がどこにあるかだけでも分かれば、航空会社との交渉の余地ができるのではないか?と考えました。
航空会社側で「荷物が別の便に乗ってしまった」「出発時の空港に置いたままである」と把握している場合は別ですが、調べても「すぐには分かりません」という状態の時、いくら探してほしいと頼んでも望みは薄そうです。
そこで、AppleのAirTagをスーツケースの中に仕込んでおけば、万が一行方不明になっても自力で場所が割り出せるのではないかと思ったのです。
AirTagを入れて、いざシンガポールへ
シンガポールへ行くタイミングでAirTagを1つ手に入れたので、早速スーツケースに潜ませて出発しました。
空港まではスーツケースを宅配便で送っていたため、自分の手を離れた時点で荷物がどうなっているかを早速確認することができました。
配送業者に拾われ、無事に空港まで移動できたことをアプリで確認できた時は、これは便利だなと思いました。
あとは目的地に着いた時と、帰国時に空港で荷物の場所が確認できれば十分です。
使うのはApple標準の「探す」アプリ。設定と使い方
AirTagを使うために新しいアプリをダウンロードする必要はありません。
iPhoneに最初から入っている「探す(Find My)」アプリを使います。
1. 初期設定(ペアリング)
AirTagの絶縁シートを抜くとピロッと音が鳴るので、iPhoneに近づけるだけで画面にポップアップが表示されます。
あとは「スーツケース」などの名前をつけて自分のApple IDに紐付けるだけで、1分もかからず設定完了です。
2. 実際の追跡方法と音を鳴らす機能
旅行中は「探す」アプリを開いて「持ち物を探す」タブを選ぶだけ。
地図上にピンが表示され、最後に通信した場所と時間が確認できます。
また、アプリから「音を鳴らす」をタップすると、AirTag本体から「ピピッ」のような電子音が鳴り響きます。
普通の人は音を鳴らす機能なんて使うの?と思うかもしれませんが、これが意外と日常や旅行先で便利そうです。
例えば、旅行先でバッグやスーツケースのどこにAirTagを入れたか分からなくなった時や、自宅でよく物を失くす方であれば(AirTagを付けておいた鍵など)、あれどこに置いたっけ?という時に音を鳴らせば、音の源をたどって一発で発見できます。
ただ一点注意があるとすれば、この小さな AirTagから防犯ブザー級の大音量が出るわけではない、ということです。
静かな場所であれば聞こえる音量ですが、荷物がぎっしりと詰まったスーツケースの中に入れた場合は収音されてしまい、聞き取れないと思います。
ちなみにバッグなどに入れず、目の前の机に置いて音を鳴らすと、鋭い電子音のため、うるさく感じる程度には音量があります。
ですので、スーツケースに入れて空港など雑踏で探す時は「音」ではなく「画面の矢印(近距離追跡)」を使い、静かな室内で探す時は「音」を使う、という使い分けが良さそうです。
いずれにせよ、ロストバゲージ対策だけでなく、身の回りの捜索や忘れ物防止にも役立つので便利だと思います。
期待と違った?iPhoneでAirTagの位置情報を追跡
シンガポールに到着し、バゲージクレームで荷物が出てくるのを待ちます。
自分はだいたい一般搭乗の最後の方のグループなので、荷物が出てくるのも最後の方です。
そのため、いつも飛行機から降りたらゆっくりトイレに行ったり、身支度を整えてから荷物のピックアップに向かいます。
スーツケースは他人となるべく被らない色を選んでいるので、出てきさえすればすぐ見つかるのですが、出てくるまでの待ち時間はいつもドキドキします。
すぐ見分けがつくようにステッカーも貼っていますが、所詮は市販品なので似たようなスーツケースで同じ飛行機に乗っている人がいないとも限りません。
悪意を持ってスーツケースが盗まれるよりも、単なる取り間違いが起きる可能性の方が高いでしょう。
そこで今回はバゲージクレームでアプリを開き、AirTagの場所を確認してみたのですが……なぜか「日本の空港にいる」情報のまま更新されていませんでした。
しばらく待ちましたが、状況は変わらず。
まさか積み残された…?と焦って調べてみると、こんなAirTagの仕組みが判明しました。
AirTag自体が直接GPSで電波を発信しているわけではなく、「近くにある誰かのiPhone」とBluetoothで通信できたときに初めて位置情報が更新される仕組みだったのです。
日本の空港で情報が止まっていたのは、貨物室に固定されている間、近くを通るiPhoneユーザーがいなかったから。
つまり、情報が更新されるまで気長に待たなければいけないと分かり、想像していたリアルタイム追跡とだいぶ違うなぁ…と少しがっかりしました。
しばらく待ったら急に更新された
そういった仕組み上、自発的にできることがないため、ベンチに座ってiPhoneを眺めながらしばらく待つことに。
すると急に「シンガポールの空港にある」と画面が切り替わり、その後すぐにベルトコンベアに自分のスーツケースが出てきました。
結局、自分の近く(すなわち他の乗客やスタッフなどiPhoneを持っている人がたくさんいるエリア)まで荷物が運ばれてきて初めて位置情報が繋がる仕組みなので、飛行機に乗っている間や預けている間の追跡としては少し不便だなと感じました。
帰国時も全く同じ状況で、かなり近くまでスーツケースが移動してこないとアプリには表示されませんでした。
結局、海外旅行にAirTagはおすすめなのか?
海外旅行のためにAirTagを買うべきか?と聞かれたら、私はおすすめと答えます。
なぜなら、本当に荷物が行方不明(ロストバゲージ)になってしまった場合、航空会社任せにするよりも「どの空港のどのあたりにあるか」を把握する大きな手がかりになるはずだからです。
自分で荷物の場所をある程度把握できているだけでも、精神的な安心感が全く違います。
それに、万が一に備えて購入した AirTagは、いわば保険なのです。
これが大活躍するような状況は、本来なら起こらないのが望ましいのです。
100均などの安物タグじゃ駄目?やっぱり純正AirTagを選ぶべき理由
最近は100均やネット通販で1,000円前後の格安タグも売られていますが、安いので十分なのでは?と思う方もいるかもしれません。
たしかに安物でも大まかな場所を知る程度なら使えますが、本当に荷物が行方不明になった時や、混雑した空港で捜索する場面においては、間違いなくApple純正のAirTagに軍配が上がるでしょう。
一番の理由は、正確な場所を見つける(矢印と距離の表示)機能の有無です。
純正AirTagなら、近くまで来た時にアプリの画面に「あと◯メートル・右方向」とピンポイントで矢印が出て誘導してくれます。
バゲージクレームの雑踏や、広大な空港の遺失物保管所で間違いなく自分の荷物がそこにあると特定できるこの安心感は、格安タグにはない決定的な強みです。
また、音の大きさや頑丈さ(防水・耐衝撃性能)も含め、過酷に扱われる旅行用荷物には結局、純正を買っておくのが一番後悔しないのではないでしょうか。
ちなみに私は普段出先で物を失くすことがほぼないので、旅行以外の時はAirTagの電池を外して休ませています。
誤作動や無駄な電池消耗を防げるので、たまにしか使わない方には電池を抜いた状態での保管がおすすめです。
裸で使う?キーホルダーなどのカバーは必要?
AirTagはコイン電池のように小さくてツルツルしているため、それ単体で使うと逆に紛失しそうだと思い、後からキーホルダー型のカバーを買い足しました。
スーツケースの中に入れるにしても、そのまま放り込んでおくと何かの拍子にするっと落ちて失くしそうです。
特に空港のカウンターで預ける直前や、ピックアップ後に荷物の出し入れをよくする私にとっては、仕切りのポケットから滑り落ちるリスクが高いと感じました。
そのため、パッと見てすぐに認識できるよう、派手な色のカバー購入。
キーホルダー型にしておけば、スーツケース内部のメッシュポケットのフックやファスナーに固定できるのでとても便利です。
スーツケースに入れる目的でAirTagを買う方は、本体のままではなく、キーホルダーやシリコンカバーなどを何か一つ付けておいた方が、絶対に安心だと思います。
スーツケースの紛失を防ぐためのアイテムなのに、スーツケースより先にAirTagを失くした、なんてことになったら本末転倒ですからね。
